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スタッフ日記

胡蝶蘭で酸欠になる?

先日、インターネット上で気になる記事を見かけました。
胡蝶蘭を大量に置いた部屋で就寝した人が酸欠状態になったという内容が、怖い話(都市伝説)として紹介されていたのです。

胡蝶蘭は夜間に酸素を吸って二酸化炭素を排出しているから、室内の酸素を奪ってしまうという内容でした。

もし同じような内容を読んで、飾ったり贈ったりすることが不安になった方がいましたら、ご安心ください。
胡蝶蘭で酸欠になることはございません。

しかし、胡蝶蘭が夜間に酸素を吸って二酸化炭素を排出する。ここまでは事実です。

植物が光合成を行うことは学生時代に授業で教わってなんとなく知っている方が多いと思いますが、
胡蝶蘭はその中でもCAM型光合成という特殊な光合成を行います。
通常の光合成は、光によって水を分解すると同時に二酸化炭素をデンプンなどの有機物に固定させ、
酸素を発生させるという反応です。
一方胡蝶蘭をはじめとするCAM植物が行うCAM型光合成は、二酸化炭素の取り込みを夜に行い、
昼までため込んでデンプンなどの有機物に固定します。
気孔を開いた際に酸素と二酸化炭素を吸い込み、不要な分の二酸化炭素はすぐに排出されますが、
酸素は発生しない為にほんの少量しか排出されません。
結果的に酸素を吸って二酸化炭素を排出している形になるのです。

通常の光合成では水分を大量に消費する為、水分が不足した地に生息する植物が適応しようと生まれたのが
CAM型光合成だと言われています。
砂漠に生息することで知られるサボテンも同じCAM植物だと説明すると、イメージしやすいかも知れませんね。
胡蝶蘭の水やりが少なくて良い理由と、他のお花に比べて長持ちする理由も実はこの光合成にあります。

もちろん、排出される二酸化炭素は微々たるものなので、それによって酸欠になることはございません。
当然ながら、人間が呼吸の時に吐き出す二酸化炭素の方が断然多いです。

そして実は通常の光合成を行う植物も、夜間は酸素を吸って二酸化炭素を吐き出す呼吸を行いますが、
胡蝶蘭と同様、大量に置いたとしても酸欠になることはありません。
部屋に緑や花があると空気が明るくなりますので、ぜひ胡蝶蘭や他の植物を飾って楽しんでいただければと思います。

 2016年11月25日

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